2010年7月14日水曜日

エグルストン写真展。


谷中のギャラリー、SCAI THE BATHHOUSEで行われているウィリアム・エグルストンの写真展に行ってきました。先月、写真集『THE DEMOCRATIC FOREST』を古本屋で購入していたので、実にタイムリーな開催です。

『21th Century』と題された今回の写真も、相変わらず見事。相当好きです。
印象的な色味やフレーミング、そして被写体も含め、写真の様々な面の細部から漂い出る、世界というか、社会性というか、ともかく堪りません。全然似ていないカルティエ・ブレッソンが凄く好き、というのも分かる気がします。写真てのはこういうのを言うんだな、と激しく納得しながら鑑賞しました。素晴らしいフォトグラファーであります。

今回は彼に関する短いドキュメンタリーDVDも会場で流されてまして(買いました!)、それにより彼が、合衆国南部のプランテーションを経営する農園主の孫で、祖父の溺愛を受け育てられていたことが発覚。この出自にしてあの写真アリ!と、すごく腑に落ちるものがありました。南部の名家の血を継ぐ男がカメラを持って怪しげに町を彷徨いながら、人だろうがガラクタだろうが自然だろうが平等に、「デモクラティックに」という信条で写真を撮る、というのはもうほとんど『響きと怒り』的。フォークナーだなあと思うんですが、どうでしょう!?