2019年6月24日月曜日
映画2019その1。 錦之助映画祭り。
3月24日から5月25日までの2ヶ月間、映画館ラピュタ阿佐ヶ谷にて、時代劇スター中村錦之助の特集上映が開催されました。1954年から66年までの東映映画35本が上映され、全てを見るわけにはいきませんでしたが、なんとか23本を鑑賞。見た映画全てが面白かったといって過言なしです。しばらく映画館に通い、今後なかなか経験出来ないだろう、素晴らしい日々を送りました。
悲劇喜劇を問わず様々な映画がある中、登場するなりスクリーンに活気をみなぎらせる驚くべき中村錦之助については、もはやファンとして筆舌に尽くしがたいものがあります。片岡千恵蔵、月形龍之介、大河内伝次郎、そして市川右太衛門ら「剣星」を筆頭とした、ともに出演する沢山の俳優たちを、様々な役柄で見ることが出来たのも、とても良かったです。ひとり挙げるなら、まず山形勲氏。清々しい悪党から酷いゲスまで、悪役を非常に気持ち良く見せてくれます。最高です。
本映画祭は、沢島忠、マキノ雅弘、加藤泰、佐々木康、松田定次、内田吐夢、佐々木康、河野寿一、山下耕作、田坂具隆ら(見た順です)名監督と、坪井誠、三村明、三木滋人、川崎新太郎、吉田貞次ら(見た順です)名キャメラマン達の仕事をまとめて見る、絶好の機会でもありました。すべてプログラムピクチャーで、ジャンルも時代劇に限られ、時として同じモチーフを扱いながら、監督ごとキャメラマンごと作品ごとに、それぞれ個性が際立っています。こういった事に気づくには、やはり一度に見ることが大事だったように思います。今回の特集上映で、自分は本当に大きな収穫を得ることが出来ました。
東映時代劇は1951年からおよそ15年続きました。続いたとはいっても、15年は決して長い時間ではありません。これほど大量の傑作が生み出され、それらが娯楽として大衆に普通に享受された時期があったという、にわかには信じ難い戦慄の歴史的事実。ともかく脱帽です。